観劇記録と所感まとめなど

nontaによる演劇パフォーマンス関係の覚書など

カプティウス

高田馬場ラビネスト

安西慎太郎さん一人芝居

 

2020/2/19 昼公演 NB列

2020/2/23 昼公演 SC列

 

 

一人で舞台に立つって演劇では多くないですけど、漫談やコント、狂言など実は日本の伝統芸能では少なくないんですよね。

ただその多くは一人二役だったりして、一人だけを演じ切ることってあまりないのかもしれない。わたしが今まで触れてこなかっただけかもしれない。

 

初めて見る一人芝居がこれで良かったと思います。安西慎太郎くんの演技が好きなので。

 

初めて見る一人芝居がこれだったのは良くなかったかもしれません。他の方の一人芝居をどう見れば良いのか迷ってしまうので。

 

 

テニミュで出会ってから、各公演一回は観に行っている役者さん。かれこれ5年くらい観に行っている。もうそんなに経つのか。

どの公演を見てもどんな役をやっていても、目を引く、心を引きつけられる役者さんの1人。とにかく演技がめちゃくちゃに上手い。

演劇が好きなんだろうと思っていた。あまりにも毎度の熱量が凄いので。今回アフタートークでも演劇が好きと仰っていたので、間違いではなかった。

 

内容は太宰治の「人間失格」を読んだある男の独白のような、演説のような、独り言のようなものが続く。

男の主張は二転三転していく。男の動きは一定のようで規則的なようで、心地いいようで気持ちが悪い。

見ていても聞いていても不安を煽る演出だなと思います。照明も、天井に反射する素材が使われていて、面白かったな。ちなみにあの天井、普通に舞台上のものも見えるので前の人の頭で見切れる時は上を見てました。

匂いが微かにするんですけど、パンフレットと同じ匂いっぽかった。パンフレット見ると劇場を思い出す仕様。匂いの演出って、実はあまり存在しない。箱が小さくないと成立しないですし。

音響もなんかザワザワした音が微かに鳴るのめちゃくちゃゾワゾワした。

 

円盤化は有りませんという意味がめちゃくちゃわかる。匂いも微かな音も微妙な明かりの変化も空気も、あの場でしか味わえないものばかりで。円盤に閉じ込めたら全て死んでしまいそうな繊細さだった。

でもあれだけ凄いものをあの数日あの人数だけしか共有出来ないのも勿体ないなと思う。難しいな。記憶の共有みたいなのが出来たら今すぐ見たい人に見せたい景色です。

 

 

男の言葉は、音声のような思考のような、他人のような自分のような、不思議な感覚になる。

張り詰めた空気と緩和、最後に男は「生きてください」と熱弁したその口で、薬のようなものを飲み、「先に行く」と告げて暗転。

 

 

記憶に留めたくて書いたけど、公開するか迷った。けれど残しておく。

これはわたしがこの作品に抱いた感情であり、わたしの中で完成したカプティウスという作品の記憶です。

よく演劇含むパフォーマンス、瞬間芸術というものは、受け手が居て初めて成り立つと言いますが、カプティウスは受け手によってかなり変化する作品だという印象を受けました。

わたしの中のカプティウスは、刹那的で暴力的で、それでいて自分の心に寄り添ってくる、厄介で愛おしい作品です。

引き摺られたら二度と戻ってこられないような恐怖と、男を憐むような気持ちと、男に共感してしまう自分に対するよくわからない感情。

ポエムみたいになってしまったけれど、心の中に土足で入ってきたくせに、美しいダンスを踊って出て行かれたみたいな気分になりました。なんかもう、なんて言語化したらいいのか正直わからないんですよね。

こうやって言葉をこねくり回したくなるような気持ちになるタイプの作品でした。

 

 

 

アフタートーク

イリエナナコさんのお話面白かったな。

彼女にとって作品は排泄物で、出さないと気持ち悪い、出すと頭から消えてスッキリすると。

わたしは自分で例えば小さい頃学校で絵を描いているときにそんな感覚になったことがあるかと言われたらほぼ無い。理想型があってそこに近いほど楽しくなるかんじだったかな。

逆にこうして書いてる文章はそれに近いかも。考えてることを言語化することで心を整理しているというか。

 

秋元くんのアフタートーク

いやいや、安西慎太郎くんはイケメン俳優だからね!?イケメンじゃなかったらオダギリジョーの過去の姿オファー来ないでしょ!?(アリスの棘)あと2.5でやってた役ほとんど公式で美形だったと思いますけど!?!?

という気持ちで見ていましたが、本人はわりと三枚目路線も好きそうだし、楽しそうならなんでもいいなぁなんて思ってしまう。

あのですね、あえて言うなら、多分、自撮りがあまり、上手じゃ、ないんだと、思います。(小声)……そんなところも魅力的だな、と思ってしまうので、これはただの盲目なのかもしれないですけれど。

 

わたしは舞台演劇が好きなので、安西くんがこれからも舞台役者としてやっていきたい!と言ってくれたのはめちゃくちゃ嬉しかった。役者を目指したきっかけが映像だったことは重々承知なので、そちらも機会があれば挑戦してみて欲しい気持ちもあるけれど、やっぱり舞台で生きていきたい!という若手俳優がいて、それが好きな役者さん、というのは、めちゃくちゃに嬉しい。幸せな話だ。

あと、油断すると役に入り込み過ぎて客観的にみられなくなり暴走する、という旨の話、安西くんがアレを計算してきちんと演技していたのかと思うと気が遠くなる。冗談抜きに天才なんじゃないかと思ってしまう。いつも入り込みすぎるギリギリで居るイメージなので。憑依型、というか、……末恐ろしいな。まだ20代なんですけど……。

 

 

 

カプティウス、アフタートークが無ければ、心がぼんやり現世から浮かんだまま帰ることになるので、現実に戻れる時間が設けられていたのはありがたかった。

Twitterの方で、これは実質安西慎太郎くんのファンミーティング、という呟きを見かけましたが、本当にそれ。

安西くんの現時点での集大成とも言える一人芝居を見られて、アフタートークで今まであまり聞かなかったオフの話、本人の話しを聞けたの、あまりにも贅沢すぎたし、安西慎太郎という役者の魅力をまたいくつも見つけてしまって、ますますこの先が楽しみになってしまった。ありがとうございました。

COCOON 月の翳り星ひとつ 「月の翳り編」

5/23 19:00 一階後方センター付近

 

 

前回

グランギニョル DVD - 観劇記録と所感まとめなど

 

前々回(初回)

COCOON 月の翳り星ひとつ 「星ひとつ編」 - 観劇記録と所感まとめなど

 

 

 

こんにちは!星で繭期デビュー、グランギニョルを経て月を観て来ましたので感想を書きます…………

トランプシリーズは総じてネタバレ無しで観る方が楽しめると思いますので、観てない方は是非観てから読んでくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グランギニョルを見ていなければアンジェリコはただ友人を手に入れられず地団駄を踏む子供でしかなかった。

でも私はグランギニョルを観てしまっているのでアンジェリコの正体を知ってるんですよ。本人も知らないアンジェリコの正体を。

彼は間違いなくフラ家の子。お父さんによく似てる。でも彼の髪の色は父上にも母上にも似てなかったね。

彼の中の血の半分は、あんなに恨んだウルと同じものなんだよな。皮肉なことに。

 

 

 

「解釈違いの君を殺すマン」が多すぎる!!!!!!!

君はこうでなければならない!そうでないなら君ではない!というこの構文、普段の私なら厄介オタクやめろや!!!!と叫ぶところだけど繭期、繭期なんだろうな、アー

 

いや言葉が乱暴でしたね申し訳ない。

 

クラウスもソフィに「生きたいと言え」って言ってた トランプとの同調が繭期だというなら繭期のせいなんだろうなこれも。やりきれないね。

 

君は変わった 君は変わらないな それが君だろう どうして僕を見てくれないんだ

目眩がするような問いかけの嵐。理解者が欲しいというのがトランプの望みなのかな。だからみんなこんなに強く他人に同じだともにあろうと繭期の子達も惹かれ合うのだろうか。

 

 

アンジェリコ、あまりにも不憫じゃないです?

血を誇っていた彼はその実、敬愛するお父様の血はまったく流れていなくて、

愛されたい、見てほしい、期待されたいと思っているのに、ゲルハルトは自分が期待をかけられすぎて欠落してしまったものがあるからか、アンジェリコにあまり期待をかけないようにしてきたんだろうな。それに加えていろんな負い目もあっただろうし。複雑な気持ちも多少あったかもしれない。だって愛するマリアの子であり、憎きマルコバニタスの子なんだもんな。

理解者だと信じていたラファエロはすっかりアンジェリコの事を「理解できない」と思ってしまっただろうし、

唯一自分の力で、イニシアチブではなく屈服させたと思ってるジョルジュとモローもさ、星を見る限りだとイニシアチブで従えてるんじゃない?パンフのポエム読んで余計に、なんだけど。小説見ると違うかもとは思ったんだけど、でも、「呪いながら怯えながら生きろ」というイニシアチブが成立するならば、「自分の意思で僕に従え」もイニシアチブとして成立しない?アンジェリコ、無意識のうちにイニシアチブ発動させてない?本人はイニシアチブ外で自分の力で従わせたかっただろうに。

もーーーー!全てが裏目!!あまりにも遣る瀬無い!どうしようもない……

と思ったけどドナテルロが居なければ良かったのか?ドナテルロいい加減にして……

 

ラファエロの幻覚は舞台上にずっと現れて居たんだよね。ラストシーンで出てきたエミールが、真実の姿で、ずっと舞台上にいたあのエミールはラファエロの幻覚で。

ラストでエミールがマジで誰?ってなるじゃないですか、でも「あれがウルに見えている」という状態が繭期の幻覚なんだったら、繭期の精神不安定って相当厄介なんだな、というのを認識した。そりゃみんな多少なりともおかしくなるわ。

ラファエロはアンジェリコの逆で期待してほしい気持ちもあったろうけど、それ以上に「このまま親の敷いたレールの上で良いのか」という気持ちが強かったんだろう。

でも間違いなく君はダリの子だなと思うよ。好きでデリコに産まれたわけじゃない!というあのセリフ、ダリも言ってた、よね?

親子の距離感って本当に難しくて、だから様々な作品で取り上げられたり指南書が出ていたり現実にも事件が起きていたりすると思うんですけど、ラファエロのアレは大きな反抗期なんだなと思う次第で。いやそんな単純なことではないというのもわかってるんですけど。

長年の積み重ねで歪んでしまったものがあって、そのままクランに来て新しい価値観に触れて、本当に今のままで良いのか?という気持ちが肥大してしまったんだろうなと思うんですよ。

ダリはダリで愛する人の望みを叶えるのに必死で、でもうまくいかなかったんだろうな。いくら正しくやっても、良いと思ってやったことも、合う合わないがあるから。

ラファエロがマックス錯乱してる時にアンジェリコにすがりながらお父様!っていうシーンがあったじゃないですか、あったよね?あれがね、なんだろうな、知らないうちにアンジェリコラファエロの畏怖の対象になってしまっていたのかな。ラファエロにとってダリとアンジェリコは、自分をデリコに縛りつけようとする、言わば檻に閉じ込めようとする存在として認識してしまったんだろうか。

ウルをこの手に抱いた時、という時の顔が笑顔だったので、ラファエロにとってもウルは守りたい可愛い弟だったんだと思う。はじめは。それが長年のプレッシャーと、不安と、その他諸々が積み重なって歪んでしまった。父親の愛情を奪うやつ、という認識にすり替わってしまった。歪んでしまった。

ダリは多分、ウルの父親をマルコにしたくなくて自分と人間の間の子と言い続けたんだろうけど、それが結果としてラファエロを苦しめることには気がつけ……なかったんだろうな……ううん……

じゃあ言えば良かったのかって話なんだけど、ラファエロにとってはウルは血も繋がってなければ、母親を殺した人間の子どもじゃん。それはそれでどこかで破綻してたと思うし、繭期になった瞬間ウルを殺しかねなくない?とも思うので、

これは憶測でしかないけど、ラファエロが繭期を無事に抜けられたら、ダリはウルの出自を明かそうと思ってたんじゃないかな。ラファエロが繭期を抜けて理性で物を考えられるようになってから。

その願いも何もかも虚しく、ラファエロは灰になってしまうのだけれども。(星先に見たので、しんどさがすごい)

 

アンジェリコ、たった1人理解者が居れば生きていけると笑う顔があまりにも美しかった。狂気を孕んだ美しさ。

私自身が他人を同一の存在と思うなど狂気の沙汰と思っているタイプの人間なのですが、同時に人は完璧でないものほど美しいと思える、と信じているので、アンジェリコは本当に美しいなと思うんですよね。

志や野望があまりにも真っ直ぐで、愛を欲しながら他者を見下して生きる不器用さと、手に入らないものを追ってしまう若さと、自分は選ばれたものだと信じる傲慢さ。あまりにもアンバランスで気が狂いそう。

何か1つでも妥協できていれば友人くらいできたろうに。理解者を求めなければ、せめて孤独は埋められたかもしれないのに。まぁそれも本当にそうかと言われれば謎なんですけど。階級差別がある世界の話なので。

アンジェリコの立ち上げた純血倶楽部は貴族階級に立ち向かう、しっかりとした思想の下にあるように見えて、フラの次期当主でありながらも父親と全く同じ道は歩まない、彼自身の意思を感じたけど、その一方で彼の思想はダンピールや人間を差別していたから、そういうところも彼の欠陥だな、と、世界の外側から見ている私は感じる次第です。

ディエゴに対する嫌悪感も大いにあったんだろうな。

 

 

ディエゴ、アンジェリコラファエロの3人の隠したかった本心と願望のすれ違いが今回のメインだなと思ってるんですけど、見事なすれ違いですよね。

自由にあるように見せて自分で作り上げた虚構の檻に逃げ続けたディエゴ、

雁字搦めの呪いの中で戸惑い自由なディエゴに感化され憧れたラファエロ

徹頭徹尾、呪いに立ち向かい、親に敷かれたレールでも、自分の力でその地位に上り詰めると誓い、足掻き続けたアンジェリコ

真っ直ぐに立ち向かうアンジェリコをディエゴは自分の弱い部分をまるで踏み躙られているかのようで見るだけでも恐ろしいと思ったろうし、

ラファエロは自由になれるのではと掴みかけた希望をディエゴ本人に「俺は自由なようでいて逃げていただけだ」と打ち砕かれ、

立ち向かい続けるためにたった1人でも理解者が居てくれれば生きていけると打ち明けたアンジェリコは、ラファエロが心を自分自身に向けて自立してしまった瞬間に、もう二度と寄り添うことができないと理解してしまう。

呼吸が止まってしまいそうな三つ巴。

アンジェリコはあの瞬間に、ラファエロという友を失ったあの時に、生きていけなくなってしまった。

 

 

ジュリオとエミールとディエゴの話をします。

彼らは間違いなく友達だったと思います。友達ってなんだろうね。すえみつさんがパンフレットで友達について話をしていますが、わたしも友達の明確な定義なんてわかんないよ。多分誰にもわからないよ。

でも彼らの中にはたしかにお互いを想い合う心があったはずで、だってあの苦しい繭期の中で、cocoonを飲み込んだディエゴが言った謝罪の言葉が嘘だとは思えなくて。

懲罰房に向かうジュリオの気持ちが本心に違いないと感じるように、エミールの幸福な繭期の中で確かに言葉として友達と称されたように、3人の中には確かな絆が見えた気がしていたんだ。

だから彼らが繭期の出来事を思い出す時にはディエゴが、そしておそらくアンジェリコラファエロも、間違いなく彼らの中に居るんだ。そうであってくれ。

でもそんな彼らもディエゴの正体は知らないんだよな。ダンピールで、本当は貴族なんかではない。その真実を知っているのはアンジェリコと、ジョルジュと、モローだけ。

ジュリオとエミールの中では永遠に、ディエゴは貴族の子なんだよな……偽りの姿のみが残り続けるディエゴ……どう、どう心を落ち着けたらいいですか……

 

 

 

繭期オタクおじさんって言いかた好きです。ドナテルロの話をしなければならない。

ドナテルロ、ミケランジェロ、グスタフのトリオ、めちゃくちゃ見た目のバランスが良い、優しくふんわりしたシルエットのミケランジェロ、すらっと細く色っぽいドナテルロ、どっしりと安定感のあるグスタフ。めちゃくちゃ良い。最高。

心のあり方も見た目同様バランス良かったです。ミケランジェロ可愛いなぁ。

個人的にはグスタフが好きです。めちゃくちゃ可愛い。うろ覚えだけど「お前の方が頭いいんだから何か分かってるだろう」みたいなセリフありましたね?アレめちゃくちゃ好き。自分の苦手分野を他人に素直に委ねられる人は好き、というか、勉強の出来る出来ないよりも、そういう判断力があるタイプの頭の良さが好きなんだよな。誰かの信仰対象になりうる人格が好きなんだよな。あと攻撃がパワータイプの人。

グスタフかわいいって言ったら例の友人に「スペクター見なよ」と言われたので、はい、何かあるのね、彼にも、でもちょっと待ってね、もう少しグスタフかわいい!のテンションで居たいです。待ってね。

 

ドナテルロ。繭期オタクっていうか、繭期のオタクなんじゃなくて「繭期のグスタフ」が唯一神なんだよな。

「繭期」が美しいと信じて生徒たちにcocoonを投与したけど、ドナテルロが愛していたのは「自分が繭期の不安定な頃に見た、繭期のグスタフの暴走」なのであり、それ以外の何物でもないことに自分でも気がついて無さそう。

だからもう繭期でもなんでもないグスタフに、その頃の自分を謝罪された時に絶望したんだろ。違うのか?

ディエゴの暴走をなかなか良かったと言ったけどもう多分唯一神を超えるものは現れないだろうな。なぜかというと思い出は美化されるものだから。それが良いものだと信じていると不思議と嫌なものの記憶って忘れていくもので、例えば嫌なものの記憶は嫌なものとして残り続けるけどもう「あの時見たグスタフ」を神格化している時点で彼の前にそれ以上のものが現れることはない気がする。一生思い出の中で生き続けてほしい。

あのラストでドナテルロが死んでるわけないと思うのでまたどこかで巡り会いそう。怖い。

 

 

ディエゴとドナテルロ。

今作で俺君の構図がポツンと浮かんだのがここ。実際には全く似ても似つかぬふたりなのだけど。

ディエゴは繭期の中に居ることでなにが欲しかったのか考えてたんですけど、生きたかったのか、自分の過去を忘れてお父さんの子どもとして居ることを望んでいたのかな。無償の愛が欲しかったのかな。繭期の朦朧とした頭の中でなら幸せでいられると感じていたんだろうか。彼の事はもう憶測で語るしかないのに、平々凡々な日本で生きてきた私には推し量ることも難しい事が多すぎるのですが。

一方のドナテルロ、彼はもう戻らない青春にもう一度触れたいただそれだけなんだよな。

あ、もしかして「強烈に手に入れたいが絶対に手に入らないものを求め、非常識な手段に走った」ところが共通項か。違法薬物と人体実験により理想の繭期を見ようとしたドナテルロと、ダンピールとして生まれ身寄りのない中、禁じ手であるイニシアチブで偽りの家族を手に入れたディエゴ。そう考えるとしっくりくるかな。

 

あの時、懲罰房に辿り着く順番、ドナテルロより先にジュリオとエミールが来られていたなら、違う結末を迎えていたんだろう。

でも現実として先に辿り着いたのはドナテルロで、ディエゴはそこで決定的に、堕ちてしまったのだな、と感じた。この世の全てはタイミングと巡り合わせで、ディエゴのどうしようもない感情のタイミングで、彼はドナテルロに出会ってしまった。彼の一番痛いタイミングで、アンジェリコに出会ってしまった。

いやしかし薬を寄越せのシーンはさしものドナテルロも少し興奮したろうな。唯一神を信仰している人間が別の神を見る時というのは、自分の想像を超えるものに出会う時だろうから。あの瞬間彼にcocoonを渡したドナテルロは、ディエゴの中に、可能性を見つけたんだろうな。

 

 

ラストのアンジェリコの慟哭、あまりにも悲痛で、観ていて心臓が痛かった。誰もが誰かと寄り添いたくて、誰もが誰かに理解されたくて、理解したい。

こんなに感想文打ってる私も散々「人と人は分かり合えない」とか言ってるけど、この登場人物たちを理解しようと必死なので。理性と感情とは、必ずしも同じ方向を向くわけではないので。

まぁでも理性の私は理解しきれない事も分かっているので、本当の答えなんて演者と演出家の中にしかないと思ってるんですよ。思ってはいるんです。

それでも正解を知りたいと思ってしまうからめちゃくちゃ考えてしまう。あ、ヤバイいまこれポエムになってるな。

 

 

 

 グランギニョルの感想に書き忘れたんですけど、登場人物の名前が芸術家の名前なんですよねほぼ。今回も多いので書きますが。

ダリ、ラファエロ、アンジェリコ、フリーダ、ドナテルロ、うたまろ。ゲルハルトは現代画家なら居るんだけど存命の方のお名前借りるかしらと思うと疑問。神学者のゲルハルトが由来かな、とか思うよね。黒薔薇会のことを考えると。

ギュスターヴ・モローがモローの由来かなと思ったけどギュスターヴってグスタフのフランス訛りなんだね、オォゥ……???

ジョルジュは国によってゲオルギウスやジョージになるけど、女性作家のジョルジュサンドがヒットしましたね(検索した)。

ジョルジュとかアンジェリコあたりは割とありそうな名前だけどうたまろを鑑みるとわざと芸術家の名前付けてそうだなと思う。

グランギニョルの方は悲劇という芸術を作り上げる人員だからそういう名前をつけてるのかなとか考えますよね。その辺りはすえみつさん公表してないのかな。あとで調べよう。

あとお名前のお話だとTLに流れてきた感想の中にスペイン版?のロミジュリはロミオの名前がディエゴというのを見かけてめちゃくちゃ泣いた。ディエゴとジュリオ、ロミジュリなの?もしかして国境の違いですれ違いました?そんなことある?

 

というか改めて調べたらズバリ「フラ・アンジェリコ」という画家が居るのですが……

フラ・アンジェリコ - Wikipedia

ウィキでごめんなさいだけどこれ、これあの、えっ?なんか思うところありすぎないです?ジョルジュという名前の人が批評してたりして……?

ヒョエーーーこれ画家の方も調べたらめちゃくちゃ楽しそう……有識者になぜこのキャラクターがこの名前なのか考えて欲しさある……

わたし画家とかはゴッホゴーギャンあたりのやべーやつしか詳しくないので……

 

 

 

話があっちこっちして申し訳ないんですけど、終盤の、ラファエロがウルを選ぶシーン。

アンジェリコがディエゴではなくエミールに掴みかかって「お前さえいなければ!」と言うところ。

普通に考えたら自由について語って聞かせたディエゴに掴みかかりそうなもんなのにと思ってたんですけど、

もしかしたらアンジェリコは「ラファエロも環境が自分と同じで兄弟も居ない一人ぼっちだったらより分かり合えた」とか思ってしまったのかな。もしくは幼い頃からウルについて守ると決めていたラファエロに、そこだけは溝を感じていたのかな。

あの瞬間ラファエロは確かにウルを守るという意志で自立して、アンジェリコを不要と判断したんだと、個人的には解釈しているのですが、アンジェリコにもその気持ちが伝わっていたのかもしれない。

とか、色んな事を考えた結果、全部ひっくるめて積み重なった上に、選ばれなかったものが選ばれたものにぶつけた醜い嫉妬、が一番しっくりきました。

自分を神に選ばれた存在だと信じていたアンジェリコが、選ばれなかった。それだけでもアンジェリコの自尊心や、積み重ねた繭期のストレス、新しい価値観に触れた不安に満ちた心をぺしゃんこにするには十分だったのでは。

長兄で無いから家を継ぐわけでもない、選ばれていないウルに、この僕が負けるなんて!という気持ちが多少なりともありそう。めちゃくちゃ傲慢だな。でも思春期を煮詰めて歪ませた繭期ならそのくらいの感情は持ってそう。妄執、嫉妬、狂信?

安西くんの演技の上手さも相俟ってアンジェリコの引力がとんでもないのでめちゃくちゃしんどい。アンジェリコ自身がめちゃくちゃしんどいから。

一方のラファエロは自分に殴りかかるのではなく、仮想ウルであるエミールに殴りかかるアンジェリコを見て決定的に分かり合えないと思ったんじゃないかと思うんですけど。あまりにも華麗な歯車のズレ。

 

ラストの大量の血(花弁)、重量感がすごくて遣る瀬無い気持ち。アンジェリコはあの瞬間死んでしまった。肉体は死んでいないけれど。助からないもの、あの出血量では。そういう演出なんだと思ってる。

殴り合いのシーンで今まで白黒プラス照明の色のみだった舞台に初めて鮮烈な赤が広がるの、美しい演出だなぁとぼんやり思いました。

いやもうこの辺までくるとしんど過ぎてぼんやりしか考えられなかったんだよね。

 

 

長いな感想!感想っていうかなんかとりとめない思考も垂れ流したけど。

cocoon、こんだけ感想を書きたくなるタイプの作品もなかなか。考えさせられることが多かった。そして好きだな。好きです。

TRAMPシリーズ、10年続いている(おめでとうございます!)だけあって、めちゃくちゃ魅力的な作品。シリーズの他作品もバチバチ見ていきたいですね!すえみつさんの短編小説とかもあるんでしたっけか。沼が広い……泳ぎ切れるかな!

友人がアップを始めているみたいなので多分次はりりうむかマリーゴールドです。可愛い女の子は大好きなのでとっても楽しみです。

 

 

余談ですが、すえみつさんの血の色、これを悲劇として描いているうちはまだ赤いと思ってるんですけど、まぁ一瞬疑いましたよね。

初めて、物語のしんどさで、途中で席を立ちたいと思った。パワーが強すぎる。壮絶すぎる。でもエミールが言っていたように「悲しい」を「美しい」と感じてしまうから、私はcocoonが大好きです。困りましたね。

 

 

めちゃくちゃ読みづらい文章だな。最後まで読んでくださった方ありがとうございます。お疲れ様でした。

なにか書き忘れてたりしそうだけどそしたらまたなんか書き足したりします多分。

あと誤字脱字とかめちゃくちゃな間違いとか見つけたらこっそり修正しますね。インターネットは便利だな。

 

過去作DVD編も、書けたら良いですね。

グランギニョル DVD

どうも。

星ひとつ編で繭期デビューしました、わたしです。

 

繭期未経験で星ひとつを見た感想はこちら↓

COCOON 月の翳り星ひとつ 「星ひとつ編」 - 観劇記録と所感まとめなど

 

これを見た友人から「安西くんのことが好きなら、悪いことは言わないから月の前にグランギニョルを見た方が良い」と言われるがままDVDで見ることに致しました。

なので、全面的に星とグランギニョルのネタバレを含みますので見てない方は見てからどうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

友人に、アンジェリコのことをより理解するために必要な知識があるのか問うたところ、

彼女はただ虚空を見つめて「うーん、どうかな。より 可 哀 想 に 見えるかな」とのこと。はぁ、そういう。ヘェ、フーン。とか思って円盤再生するじゃないですか。

 

開始してわりと早々に母上の「産まなければ良かった」発言でもう目の前真っ暗ですよ。アンジェリコくんキミってやつは。

そんでもって終盤でさらなる追い討ち。待ってわたし星を観た時にアンジェリコくんのこと拗らせ貴族なんだな、という認識だったんだけど改めるべきだこれ。待ってもう一回星観たい……いやでも観たら死んでしまう。

 

星はトランプのはじめの物語の裏側に当たると説明を受けまして。

いやあのだから、なに、そりゃ今までのシリーズ観てる人は星の冒頭でもう結末もわかるしトランプの時には知識としてなかったグランギニョルも知ってる。

そりゃあ星しんどいわ。しかもその後の話ももうやってるんだよね?ハァー?どうして?

 

ていうかわたしが星で抱いた感想は即ち、なにも知らされてなかったウルの話そのもので、裏ではこんなことがあったって事だ。事実としてあったんだけど誰もなにも言えなかったよね。

つまりわたしはまっさらな状態で、ウルと同じだけの知識でウルの物語を見られたんだな。これはもう二度とできない貴重な体験だった。

ウルの気持ちにどっぷり浸れたのはあの時の2時間だけだ。困ったな。

 

 

仕切り直し。

 

まずもうパッケージのビジュアルの美しさがすごい。あまりにも。

円盤だから当然顔のドアップがバーン!出るじゃないですか。

ダリが黒髪に青いメイクでゲルハルトが金髪に赤いメイクなの、もう好きじゃん?ビジュアルのそういう対比、オタク好きじゃん?

 

物語が始まってゲルハルトがフラ家のヴァンプとわかった瞬間の「アンジェリコーーーー!!!」というわたしの心の叫び。アンジェリコお前めちゃくちゃ美人の父ちゃんじゃん。というまずそこでニコニコしてしまった。それもひっくり返されたけど。

地獄なの?

そっかぁ。

 

もう結論から言うけどダリデリコが好きですよ私は。

 

グランギニョルは全てがトランプに捧げるための供物で?

ダミアンストーンなる者のコピーがたくさん存在してて彼らはトランプにグランギニョルを捧げるために生きていて?

 

いやなに、どうすればいいんだこれ。絶対負の連鎖終わらないじゃないですかヤダー

星を観た時にダミアンストーンがうんたらかんたら言ってたのがあの時はよくわからなかったけど、そりゃあダリちゃんお怒りになるのわかるよ。俺の手で殺したいよな。根絶やしにしてやりたいよな。

 

あとウル(子)、デリコの血筋じゃないし、アンジェリコは何ならウルと異母兄弟なんじゃん…………ええ……?

新しく情報が出る度に混乱しちゃう。

 

私が見た「星ひとつ」は本当にウルの物語でしかなかったけど、グランギニョルを踏まえて見る「星ひとつ」は間違いなくダリの話でもある。

トランプを見てないので的外れだったら申し訳ないのだけど、グランギニョルはトランプの前日譚だけど、星ひとつはグランギニョルの後日譚という気がします。

 

ウルという希望に「負けるな」というイニシアチブを祈りのように捧げるダリで幕を閉じるグランギニョル

この残酷な世界に置いて、このグランギニョルという作品においてウルは確かに希望そのもので、

でもこの先ウルがどうなるのか知っている私としてはやりきれない空虚を感じてしまう。

ラファエロもウルも、ダリにとっては愛する人の残した希望だったんだな。

ウルがソフィという星を見つけ、悲劇を悲劇だけで終わらせなかったことが、ダリにとっては僅かな救いだったと信じたい。

いやでも待ってグランギニョルの様子からするとマリーゴールドって未来の話なんですよね?タイトルだけは知ってるから途中でアッ!となった。つまりもう今後は決まってる……?やだ怖い。やだ。知りたくない……知りたい……

 

イニシアチブの重ねがけについての情報が大量に出て、これ絶対今後も使うやつですね。覚えておきます。

ウルが最後まで生きたいと願っていたのは、ウル自身の性質もあると思うけど、呪いのイニシアチブによる死への恐怖と、ダリの希望のイニシアチブによる負けないという思いが強かったから、なのかもしれない。

 

繭期の子供達の関係性とキャラクター好きだったな。

キキの子守唄でベショベショに泣いてしまった。歳をとると上手い歌というだけでも加算して泣けてしまうから困りますね。たむらめいみちゃん。アンジュルムハロプロか!好きですね。

どうしようもなく死にたい夜にも、生きててよかったと思えるように、というアンリの言葉が何かすごく刺さってしまって。

あと泣き虫で弱虫でネガティブな子が、最後の最後に大切な人のために笑顔で相手を守るために一番しんどい役回りになるのしんど……守られる立場と思ってた子が立ち上がって守る側になるのに本当に弱くてアアーーーーおやめください……大久保祥太郎くんの演技ほんとすごいな……

 

あとこれだけは言わせて、服部武雄くん、ほんとこういう、クセのある役上手いよね……好きだよ……

 

あとなんだっけ、とんすけの脚が5メートルあるよって聞いて、いやいやそんなわけあるかーい!と思ってたけど5メートルありましたね。

ヴァンパイアハンターコンビ、戦闘がカッコいい。好き。あそこだけ少年漫画してた。

あとなんだっけ、後天的ヴァンプ?初めて聞きましたけど今後も出ますか?こんな設定出すだけ出して利用しないすえみつさんじゃないでしょ?なんかあるんでしょ?

 

ここにあげてない登場人物も皆魅力的で素敵だった。

ここまで名前あげてないけどグランギニョルで1番好きなキャラはフリーダ様です。強くて優しくて博愛精神の人が好き。

 

星、グランギニョル、と見て感じるのは、誰もが幸せになりたくて手を伸ばし続けているのに届かなかったり、すれ違ったり、他人の幸せのために犠牲になっているということ。

悪い人が悪い、ではなく、正義の反対は別の正義、という理論で展開されているなと感じました。

唯一ダミアンストーンは私の中でまだ悪人という認識なのですが、これもどこかでひっくり返されるんだろうか。

過去作ちゃんと見て提示されている条件と明かされてない謎について噛み締めたい〜〜!考えるのは好きなので。

 

 

さて、明日は月を観に行きます。

楽しみだなぁ。

また感想書きたいけど書けるかな。

 

 

 

これは完全に余談ですが、ドルステを見ていた私の横でアキラのダンスが好き!と言ったことのある母上に、服部くんが出てるよ!と言ったらちょっとだけ見たいというので出演シーンを見せたら「またこういう役なんだね」とニコニコしていました。

いやほんと服部くんみたいな役やってる若手あんまり見ないから、ほんと貴重だと思う。あんまり他の子にこういう役当てられてるの見ない……

そんな母上はりょんのお顔がアップになった瞬間に「ワッ!びっくりした!綺麗!」と呟いていて笑ってしまった。わかる。わかるよ。綺麗だよね。わかる。

 

 

こっそりと、めっちゃ重大な記憶違いしてたので一部修正しました。もう記憶死んでるじゃん……早い……

間違い二個あったので……二度訂正しました……まだありそう……こわい……

COCOON 月の翳り星ひとつ 「星ひとつ編」

5/13 19:00

1階中盤列上手側

 

 

繭期未経験の私が、星ひとつ編に挑んだ話。

 

安西慎太郎くんが出るっていうので初めての繭期が決まりまして。

繭期振り返り配信があったのは知ってたんですけど、どうにも都合がつかず断念。

 

というわけで、トランプシリーズ予習なしぶっつけ本番、星ひとつで初めて繭期を経験した私の感想です。

友人にも初めての繭期がこれの人の感想見てみたいと言われましたので。

 

ちなみに繭期が好きな人間が周りに多いのでなんとなく、ソフィ、ウル、クラウスは名前を聞いたことがある気がするな、と思いながら観ました。その程度の知識しかない。

しかし聞いたことがあるということは即ち過去作に出てたんですよね。見たら余計にしんどくなったり幸せになったりするやつだなというのは理解しました。

月の翳りを見たあと、こころに余裕が出来たら見ます。見始めたからには見たいじゃん!?楽しい地獄をみたいじゃん!?

 

仕切り直し。

 

ネタバレガンガンするのでまだ見てない人は見ないほうがいいと思います。

 

 

 

 

グッズ、舞台セット、客入れ音楽からもう世界観の構築に執念を感じる。

ヴァンパイアのお話なんだよね、雰囲気ある〜〜!とテンション上がりまくり。客入れから空気を作るタイプの作品好きなんです。その場に居るから味わえるワクワク感!

いや、これから確実にメンタルボコスカ殴られるのはわかってるんですよ。周りの人が繭期に思い入れあるの聞いてたし。だから最後の空元気ですね。この辺が。

 

冒頭、生まれたばかりの赤子に「ドブネズミくさい」と言い放つ男。

一生を怯えながら生きろ、これは呪いだ、と暗い声で言い聞かせ、首を噛む。

うって変わり、生きろと明るく、愛おしげに、懇願するように語りかける声、もう一度、赤子は首を噛まれる。

 

宮崎くん演じるウルが、これは僕の物語。僕とソフィの物語だ。と宣言し、物語は始まる。

 

ヴァンパイアと人間の混血 ダンピール

ダンピールとして、自分として凛と生きようとしたソフィと、

名家に生まれ、ダンピールであることを伏せよと育てられたウル。

ソフィに憧れを抱くウルと、1人で生きると決めたけれどウルに心を開き始めるソフィ。

 

己の性質を否定して生きる事は、己を殺すことに等しいのかもしれない。

ウルの、名家の生まれだから周りにチヤホヤされるが、その横で薄汚いダンピールめ!と罵られるソフィに自分を重ねているであろう葛藤が恐ろしく残酷。

ソフィが正々堂々胸を張って生きようとするほど、そんなソフィにウルは憧れながらも無意識に劣等感や嫉妬を感じていたのではと思うと、あまりにも。

そりゃお兄ちゃんもソフィを引き離したいよね。そりゃそうです。

でもウルにとっての彼は憧れでも大切な友人でもあるわけで、離れたくないんだよな。全てがもどかしい。

父親も、ああして振る舞わないと大事な我が子を守れなかったんだな、というのは、最後に理解しました。

そめちゃんめちゃくちゃ良かったな。ビジュアルの良さも含めて。

 

ウルはソフィに、お前は俺で俺はお前だという言葉をかけますが、結局のところ薄命のダンピールでありながらその立場や生き方は全くの別物で、ウルとソフィは同一ではない。当たり前なんですけど。

ウルには誰一人として、完全な理解者は居なかった。

けれどソフィは最後までウルに寄り添っていた。これだけが真実で、ウルにとっての星だったに違いないと思ってるわけです。

 

ウルは産まれながらに自分を否定し、それでも生きようと願っていた。真祖の不安定に影響されていたこともあるけど、それこそ気が狂うほど、生きたいと思っていた。

ダンピールであることを嘆きはしても、死にたいとは思わなかったのが、ウルの強いところだと思う。

ウルの最期、きっと、ダンピールであることも名家の生まれであることも知った上で寄り添い、友達だと、生かそうとしてくれたソフィは、間違いなくウルにとっての星だったんだろう。そう思わないとやってられない。

 

 

初見だし話が話なので主人公のウルを追いかけて話を見ていましたが、

アイデンティティと他者理解、過ぎた力を前に生物の欲とはどう作用するのか、とか。

重たく、決して他人事と笑い飛ばせないテーマをこれでもかというほど突きつけられた2時間でした。

いや2時間?まじ?話の重さは余裕で4時間くらいの満足感だよ。

 

 

クラウスくんとアンジェリコくん、ラファエロくんのクソデカ感情ほんと。

この3人についても触れていい?

 

アンジェリコについては多分月の翳りで触れると思うので(だってメインビジュアルだし)、やんわり触れますけど、

ヴァンパイアとして生き、その能力を遺憾無く駆使し、ヴァンパイアを守るという感情を拗らせつつラファエロに執着してきたわけじゃないですか。ここまででお腹いっぱいなんだけど月の翳りどうすんの2時間でおさまります?

真祖の不安定?がどこまで彼らを狂わせているのかわからないんですけど、ラファエロに対する歪んだ執着は元からという気がしてならない。

あと人間への憎しみを喚き散らしていたので、いつか詳しく教えてくださいね。月の翳りでお話ししてくれるかな。

あとイニシアチブについて教えてくれてありがとうございました。中盤で君が来てくれなかったら吸血鬼同士で噛むと操れるのね。とすると冒頭の男は赤子にイニシアチブを植え付けたわけだ。これがお父さんなわけだけどごめんお父さんについてはラファエロくんのとこで書く。

 

というわけでラファエロくん。

彼も彼で、とんでもねぇ立場ですよね。

名家に生まれ誇り高くあれと育てられ、弟の秘密を守り、家を守り。

いやお父さんに大いに責任があると思うんですけど父上にとってウルはそもそも、禁忌を侵してでも交わりたかった人間とのこどもなわけで、ウルを汚点だとしながら生かそうとしている時点で父上にとってウルの母親はどう考えても特別な存在じゃないですか。

じゃあラファエロはどうすんだって話なんですよ。

割と聡明な方とお見受けしましたので、ラファエロは全てを飲み込んでなお、弟も家も守りたかったんだろうな。それは父の刷り込みでもあり、呪いでもある。ように見えた。無論、彼の意思や感情が無いわけではなさそうだったけれども。そうでなければ父の傀儡だったんだろう。ウルの指摘通り。

父の言うことを守りさえすれば良いと行動していたことがラファエロの罪だと思うんですよね。他の道を探そうと思えば探せたのかもしれない。もし過去作でそれを探しながらも挫折していたのだとしたら申し訳ない。

彼にも自我があり、それは家を守りたい家族を守りたいというあまりにも幸せとして正しく見えるものを守ろうとした姿を誰も責められはしない。

唯一踏み込めそうだったのがきっとアンジェリコなんだと思うんですけど、彼も彼で理解者が欲しかったんだろうな。

ラファエロの最期があまりにも酷いので、彼にも星を見せて欲しかった。でもそうじゃないからこの物語を美しいと感じてしまうんだろうな。

これは昔からの持論ですが、人間は完全なものにこそ、欠けてる部分かあればそれを愛おしく思ってしまう、と、信じているので。

父上の最後のセリフ、彼は彼で星をつかんでいたんだなと思わされたので、余計にラファエロくんのことを「かわいそう」と思ってしまう。ごめんね。

 

ティーチャー クラウス。

永遠の命を生きる者というテーマは、人間は浪漫が好きですからね、創作物では何度か巡り会いましたが、何度見てもしんどいですね。

数千年生き続け、やっと出来たと思った友人を失い、ボロボロのまま生き続け、失った友人の子孫に出会う。

己の語彙力のなさが悲しいけど「しんどい」以上の言葉が見つからない。

友人本人じゃないソフィを永遠の友に選んだクラウス、これから先、その人じゃない代替品の友に対して、ソフィ自身を見出すのか思い出の幻影を見続けるのか、非常に興味があります。

星に手が届いたと口にするクラウス。彼にはソフィが見えてるのかな。ソフィは本当に彼の星になれるのかな。

 

あと人間くんがどうしてもソフィを生かしたかった理由が今作では明言されなかったのできっとどこかで見れるものと思います。探したいね。

 

 

結局誰もがエゴのために動いていて、誰もが他者を完全に理解することはできない。誰もが誰とも同一のものにはなれないし、だからこそ寄り添いたいと願うのかもしれない。

 

総じてとんでもない世界だった。えらい場所に足を踏み入れてしまった。

 

 

来週は月の翳りを見に行くので、また感想書きたい。あっちはどんな話なんだろ。メインビジュアルから読めるのはアンジェリコが主役の話になるんだろうなってことだけなんだよね。こわーい……

【感想】舞台「夢王国と眠れる100人の王子様~Prince Theater~」※初演

2017/7/23 12:00

 

あんまり記憶がないけど記録として残したかった。

あっためてるうちになんと第二弾公演がありましたね。あっためすぎました。

 

まちゃさんのドーマウスくんが見たくて観に行きました。(素直)

そして久しぶりの碕くん!びしんくん!

他にも見たことのあるキャストがぞくぞく。やっぱ2.5の若手俳優ってある程度「よく見る顔」が固定されつつあるなという気も致します。それが良いとか悪いとかではなく。

 

舞台に向けてゲームも少し触りましたが、舞台に出るキャラではリドくんがかなり好きでした。まっすぐないい子が好きなんですよね。

高崎くんいろんな場所で見てるけどハジけてるキャラ、元気なキャラが多かったのでちょっと不思議な気持ちでしたが、全然合ってて良かったです。

優しいけど宝石の国の3人の中では振り回されがちというか。なんだろう、そういう雰囲気が「見えた」ので凄い。

 

ちなみにゲーム始めてめちゃくちゃ可愛いなと思ったのは澄快くんです。

バイク乗れないからチャリをバイクっぽく改造してたり、タバコ吸えないけどカッコつけたいからそれっぽいの咥えてたりする。めちゃくちゃ可愛い。

あと名前がスカイって読むのね。呪われてるかと思った。ピューロランドの演目の推しチームと同じ名前。

 

どうでもいい情報挟んでしまった。オタクすぐ脱線する。

話を戻す。

 

2.5の舞台は本編やるかスピンオフやるかどっちかだと思うんですが、昨今の2.5にしては珍しく夢100は後者。

いわゆるゲーム内における「イベントストーリー」みたいな感じでした。

姫がエアーなのは仕方ないけど個人的にはヒロインを実体で置いて欲しい派なのでややかゆい気持ちはあった。ヒロインせっかく作画あるのにな〜〜!

ヒロイン実体許せない派閥もいると思うのでこの辺はまぁ、うん。

 

話の流れは、とあるホテルで姫の誕生日パーティーを開きたい各国の王子たち。

ホテル側のミスでなんと複数の国の王子たちがブッキング。

ホテル自体は超一流なのにありえないミス。その原因は、開かずの間に閉じ込められたイタズラ好きの妖精たち。

兎にも角にも自分たちが姫をお祝いしたい王子たちは国別対抗でホテルの広間をかけて余興でバトル。

が、途中うっかり開かずの間を開けてイタズラ妖精を逃してしまって大騒ぎに。

王子たちは分断されてしまうが、妖精を追いかけ、他の国の王子と交流したことで、次第に己の問題と向き合っていく……みたいな話。

 

最終的にみんなで姫を喜ばせるのが一番だ!という結論になり、みんなの歌を披露(ライブパート)という感じ。

ライブパートの繋ぎが必然性があるしわりかし自然なので良かったです。

ライブは各国ごとにカラーが全然違って面白かった。御伽の国がウルトラ可愛い振り付けがあったのは覚えてる。電車ごっこみたいな。

 

それから観に行った回でキャピタさんがサンダルすっ飛ばしててビックリした。あれ一回だけだったみたいで普段はすっ飛んでなかったらしくてなんか、観ちゃってごめんね……笑

 

ゲームの方で全然出会えてなかったけどクロノくんは多分好きなタイプだしびしんくんがキャストだ!楽しみ!と思って観てたらまぁ見事に好きなタイプでした。可愛かったな。

 

全然タイプの違うキャラが混在するゲームなので、見た目にもバラエティ豊かな面々という感じで楽しかったです。

もう少しキャラを減らすと一人一人を描きやすいんだろうけど、これ以上減らすと多分話が必要以上に重くなる、という絶妙なバランス感をキャッチしました。

気軽に楽しめる作品というか、頭を使わなくても観られる作品、かな。

でもキャラの芯になるものやグッとくる部分もしっかり描かれていたので、深読み好きなオタクはズブズブハマりそうな感じではありました。

【感想】デパート!

ザ・ミュージカルというものを見た。めちゃくちゃ楽しかった。

 

普段2.5とか若手が多めの舞台を中心に見てるので圧倒的な歌唱にただただ楽しさをキャッチすることしかできなかった。

最高。

 

もうまずデパート!という演目をデパート内にある三越劇場でやる事が最高。

三越劇場初めて行ったけど椅子も、装飾も、もうこの劇場だけでテンション上がるってくらい綺麗だし座り心地良い。

舞台が高く作られているので客席はほぼフラットだけどちゃんと見える。見やすい。

そして生演奏だからドラムの音とかちゃんとお腹に響くのね。楽しい。

さらに役者陣も1人残らず上手い。歌が微妙……って人が1人もいない。楽しい。最高。

 

IQ5みたいな感想でごめんなさい。

 

原田優一さんのオリジナルミュージカルとのことなのですが私、原田優一さんのこと、るひまでしか見たことがなくて(イロモノ……)

どんなものかと思っていたけど、コメディチックで、少し寂しくて、最後は胸にグッとくる、そんな素敵なお話でした。

 

また歌が上手い人ばっかりのミュージカル見に行きたいな~~~

 

【感想】JOKER TRAP

4/22 13:00 前方列上手寄りセンブロ

 

一回書き終えてから読み直したらなんかえらいオタクの文章、文脈でしたので、ぅゎこの感想無理……と思ったらその時点でブラウザバックお願いします。

申し訳ありませんが、自衛をよろしく頼みます。

 

 

 

やってきました劇団シャイニング3作目にして最終作。漸く劇場で観ることが叶いました。前2作品はチケット取れなかったので。

 

 

まずもうこれは言っておきたいんですけど、金がかかってる舞台の衣装って最高なんですよね!!!!!!(大声)

そしてスーツにガンアクション!スパイ!ねぇこれ嫌いなオタクいる!?わたしはとっても楽しかったです!!!

 

 

のっけからI.Q1みたいな始まりですみません。そのくらいやばいんですよ。

 

ビジュアルの平均値が高すぎて終始「顔が良い」の連続。ランダムブロマイドとか何枚引いても顔が良いモノしか出ない。顔が良いガチャです。どれを引いても顔面UR。メインから脇までみんな顔が良い。

良きビジュアルはそれだけでエンタメに成り得るのだと実感いたしました。スゲェ。顔が良いってとんでもねぇ。オタクのみんなたち知ってました?知ってたつもりでもビジュアルでガンガン殴られるからえらいこっちゃやで。

何かあるたびに「うわー顔が良い〜〜!えっ?こっちも顔が良い!うわやばあっちも、えっ……嘘、そんなことある?こんなに顔が良いことある?」みたいな感想産みますからね。びっくりする。自身の語彙の無さにびっくりする。

 

初演キャスト的には推しはマスミラなんですけど、曲とかビジュアルとかの雰囲気はジョカトラが一番好きで。しかも絶対アクションあるからめちゃくちゃ楽しみにしてたんですけどまぁーたのしーーーーー!!!

 

高本くんはお噂はかねがね、ヘタミュが好きな友人からお伺いしていたんですけど、一言で言うと「顔が良すぎる赤ちゃん」……めちゃくちゃ可愛かったです。貶してないよ。褒め言葉のつもりです。

片眉クッてよく上がるんですけどそれがまぁRENらしくてめちゃくちゃ良い。人を信じられないと思いながら誰よりも純粋に人を信じていたまっすぐなRENが、可愛くて無垢な雰囲気を纏う高本くんに凄く合っててよかったです。あとシルエットが細い。目が大きい。

ダンスはあまり得意ではないのか、めちゃくちゃカウント取りながら踊ってて思わず応援したくなる感じでした。真面目で一生懸命なんだろうなというのが伝わってきてとても可愛かった。ほほえましい。運動神経が全くないわけではなさそうなので、筋肉と慣れかな。お歌は悪くないので今後も伸びそう。誰目線だよみたいな感想になってしまったごめんなさい。悪気はない。可愛かった。

 

TOKI役ののすけくんは個人的にはもふ虎以来……か?えっうそ!?もふ虎以来!?もっと見てる気がしてた……どっかで観たかもしれないわかんない……

ビジュアルの段階で個人的には初代キャストと一番イメージが違ったのですが、そこは顔の良さと動きでカバーできてたので問題ないです。というか初代も体型維持意識しないと太るって言ってたしこのぐらい骨太なのでは?という気がしてきている2018年春。いやのすけくん別に太くはないです。むしろ細いんだけど輪をかけていちご組が細すぎんだわ。

ビジュアル的にはこの時のTOKIの髪型、サイドを後ろに流しているので顎のラインが全見えなんですけど、のすけくんは特に横顔の顎のラインがめちゃくちゃ綺麗なので見てほしい。

ただドーランがやや濃いめなのが気になったのでメイクさんこのブログを読んでいたらワントーン上げてあげてほしい。首の感じからするとドーランよりも地肌の方がだいぶ白いです。

誠実そうな喋り方なんかはとてもTOKIらしくて素敵でした。アクションは一番正統派っぽかった。さすが殺陣の舞台多くやってるだけあります。あと身長の割にウエストの位置がめちゃ高いので多分この人足長いよね……?気のせい?

回し蹴り的な動きが一番足の角度高く上がってたように思います。綺麗。前半と後半の演技のギャップも素敵でした。

ご本人の人の良さがにじみ出ているというか、スパイなんですけど誠実で完璧主義っぽいところがめっちゃいいTOKIでした。素敵でした。

 

RAN役の小波津くん。この中だと一番他の舞台でも見たことがある人なのですが、個人的に、今まで見た中で一番のハマり役でした。

いやもう初代と似すぎでしょ!?ぶっちゃけメイクしてなくても4人並ぶと明らかに顔がRANとして完成しすぎててびっくりするレベルでした。個人の感想です。声質も割と似てると思うんですがどうですか。

当方ランラン最推しでは無いですが、再再演があったとしてもここだけはキャスト変えて欲しく無いです。

ちょっと筋肉つき過ぎなのは否定できないですけど、力こそパワー!みたいなアクションなので非常にロック。あと序盤のベースで死ぬほど和んだ。かわいいかよ。腹ペコらんちゃんも可愛かった。

アウトローなアクションなんですが殴る蹴る頭突きに迫力がある。力強くてめちゃくちゃカッコいい〜〜〜〜こういうアクションにめちゃくちゃ弱い。小波津くんステゴロでアクションする舞台の時は教えてほしいめちゃくちゃ見たい。

歌も安定感が群を抜いていたので最高でした。やっぱ声質初代と似てたと思う。声量もあるし声を張る歌い方なので好きです。

個人的には時々ジェラルドで見た!って動きがあって懐かしくなりました。あ、ジェラルドっていうのはサンリオピューロランドで上演しているちっちゃな英雄というミュージカルのキャラクターです。2018年5月に上演が終わってしまうので気になる方は是非(ダイレクトマーケティング)

最後のカテコで決めポーズする時に力こぶアピールしてきたのは笑ってしまった。可愛いな。1人だけ一回り体が大きくてときめきました。筋肉は正義です。(好き)

 

CAMUS役のきくちくん。ダークホースでしたが死ぬほど顔が良い。というかCAMUSメイクのきくちくんさんめちゃくちゃ好みのビジュアルで参りました。いやーーーーーーーーーーー無理でした。めっちゃかわいい。綺麗。

露出狂で見てるはずなんですけど顔が違いすぎて認識できませんでした。いやていうか露出狂でてたの……しかも葉枝……狂チームの葉枝……うっすら思い出してきたけどまじかよ……マジか………………

CAMUSはまずハイウエストサスペンダーロングコートですよ。きくちくん、それがめちゃくちゃ似合うスタイルなんですよ。それに対して少しもときめかないってオタクが居たら教えて欲しい。わたしはカミュ先輩の事は特に死ぬほど推しというわけでは無いけれど、今回ばかりはときめきすぎてつい目で追ってしまいました。CAMUS推しのオタクたちの生存が危ぶまれる。生きてる?

あしがなげーーーーーーーーので、回し蹴りした時の長さがえぐい。その上細いのでさらに長く見えるのすごくないですか?もはやわけがわからない領域です。

序盤の通路通ってる時の日替わりと思われるパートの謎ダンス講座が面白すぎてしばらく引きずった。2つの動きの違いを教えてやろう。これがアップダウン。これがアップ。これがダウン。TOKI「3つ……?」 書き起こしたけど観てない人に1ミリも伝わった気がしない。

あとチョコレートの銀紙客席側に落ちたのも笑ったしそれに対してあのキャラのまま見なかった事にしろって言ったのも笑った。

堂々と早口言葉間違えるのは多分台本なんだろうけど、あれあんなに真顔で大真面目に言えるのサイコーか?あとマカロン大戦争も笑ってしまった。意外とギャグパートはこの人とコバヤシがツートップじゃない?頻度も爆発力も。好きです。

アクションシーンの中で客席側から階段使わずに舞台上に飛んで上がるところがあるんですけど、体の軽さと足の長さにビックリするので確認して欲しいです。めちゃくちゃかっこよかった。

目が大きいので表情の動きがわかりやすいのが非常によいです。特に睨んだ時の迫力と流し目の色気よ……

レビューの!椅子の!ダンスの時の!マントさばきが死ぬほど好みでした!!!!!

TOKIはマントをスッとスマートに捌くんですけど(これはこれでめちゃくちゃカッコいい)、CAMUSはマントをファッサーって広げて翻してってするのでマントひらひら大好きキッズのわたしは大興奮でした。好き。

あとバンダナ振るパートで「水色を振れ!!!水色以外認めんぞ!!!」って言ってたのズルい。さては中の人も愉快な人だな?と思ったらパンフの座談会でも言われてた。愉快な人みたいです。しかもメインキャストで最年少だなもしかして。えっうそ高本くんのが下かと思ってた……最年少だ……

 

コバヤシ役古谷大和さん

いやなんでこんな一番外人顔の人に「コバヤシ」?と思いましたけど、愉快な方の古谷さんでしたので納得です。

テンション高くて可愛いキャラの時の古谷さん大好きなのでニコニコしながら見てました。お友達の天宮くんがめちゃくちゃ好きなんです。(詳しくはCHaCK-UPを見てください。DVDがあります。)

コバヤシめちゃおいしい役だったし、ギャグあり、シリアスあり、一番自由度の高いキャラでなんかもうすごかった。今日どこかのアクションでらんちゃんが銃落としてたみたいで最後の方で回収しながら「俺出来る子だからこういうのも拾って帰れるからね!!!!」って言いながらはけていったの、控えめに言っても本日のMVPだった。キャスト陣も笑っちゃってたし焦って銃を確認するRANとキートン可愛かったです。犯人はRANでした。

あと彼は主に後半から出てくるんですけど、そこまで出てきたネタもりもりしてるのもズルいでしょ。できる男すぎるでしょ。今度同じ銀河劇場でA3って舞台に出ます。シトロンくん役です。二次オタの皆さまよろしくお願いします!(?)

ぶっちゃけキャスト発表の段階で古谷さんメインキャストじゃ無い事にびっくりしたんですけど、(顔が濃すぎてメインを食うのでは?と思ってました。)これは納得の配役だし見れて本当に良かったです。とにかくかわいかった。れんちゃんに兄貴風吹かせてるのもかわいい。ダーツのくだり好き。

 

ベガ役服部武雄くんは改名してから初めて見たかもしれない。相変わらずこういうクセの強い役がキッチリこなせていてすごい。

殺陣が今回唯一の刀だったんですけどめちゃくちゃ綺麗な太刀筋だったな。あと速い。がっつり殺陣の舞台とかも見てみたいな。

多分すごい偏屈でいやらしいキャラクターなんだと思うけどめちゃくちゃねちっこそうで良かったです。

さわやかなイケメン役もこなせる役者さんなのですが、昨今の若手俳優、さわやかな役こなせる子は多いので、服部くんみたいな、若いけどねちこいキャラ出来る人って実は希少なのでは。どんどん活かして欲しい。

 

ラリー役あらけんさん。

お噂はかねがね。友人がリツイートしていたのでお顔は拝見していて、あまりにも綺麗な人だなぁと思ってました。実物も綺麗でした。ちょっと小さいのがかわいい。

 落ち着いて居て実直に見えてその実、野心に溢れた男、というキャラクターらしく、ゆったりとした佇まいと無駄のない動きが良かった。と思ったらパンフで言及されてらしたので、受け取ったものが正解だったみたい。良かったです。

最後のシーン、都合のいい、悪い大人だなぁと思いましたが、そこが好きでした。

 

キートン役。唐橋さんが出ることをすっかり忘れていた上に、私の中の唐橋さんて弥次喜多とかシンケンジャーとかなので今回のビジュアルで誰だかわかんなくて、

めっちゃかっこいいし良い声だしどこかでみたことある気がするけど誰だ……?と、終演後パンフ見てアアアアアア!?ってなりました。めちゃくちゃ魅力的なおじさまでした。優しい声、好きすぎた。

ラストシーン一人一人に語りかける時の声がめちゃくちゃ好きです。

 

 

本について。

よくもまぁ初演のあの内容をここまで面白く引き上げたなと。

初演は初演で好きなんですけどいかんせんエアーヒロインちゃんの、存在感はあるのに声が無いのがずっと引っかかってて。コンテンツ的に仕方ないんですけど。でもなんというか、君たち壁に話しかけてるの?みたいな虚しさがあって。いや別に悪いとは言わないですアレはアレで好きですし。

マスミラの時も思ったけど実際初演というかドラマCDを舞台脚本にするには結構いろんな障害があると思うんですよ。場面転換やら早替え、アクションなんかは特に。でもむちゃくちゃ面白いものに仕上がるので本当にすごいです。脚本演出に確かな力を感じます。ありがとうございます。

忍び道が観れていないので円盤買おうかなぁ……

 

メイン追うのに必死すぎてアンサンブルあんまり観れなかったのが少し残念。でもアクションは最高でした。めちゃくちゃ見応えあった。

ガンvsガンのアクションて、あんまり見たことなかったんですけど、すごくかっこいいですね。ワクワクしました。

 

いやーーー楽しかったです。めちゃくちゃ楽しかったです。行けてよかったな。なんなら、もう一回くらい行きたかったな……本当に楽しかった。

シャイニングレビュー見に行けることになったので楽しみに待ってることにします。

 

 

 

あとこれは完全に余談ですけど、今回の劇シャイのキャストでSMSやってくれたりしないかな…………キャストのスケジュール抑えられない気がするけど……なんとか……きくちくんとたがわくんの兄弟が観たい過ぎるんですけど………あとのすけくんのランドルフ絶対いいと思うの……………それからうえちゃんさんに仕える小波津くんとか観たいすぎるでしょ……体格差すごない……?あとおざわれんくんのデブ店主観たすぎるでしょ(そこかよ)

もちろんうたプリのコンテンツ的にそれが難しいのは百も承知なんですけども〜〜ロスアリ立体化諦められないよエーーーン

とか言いながら多分リコリス観た後にリコリス………ってしんどくなる。なりたい。

トロワ殺陣あるから立体化したらめちゃくちゃ映えるでしょ。一番立体化の恩恵受けるのトロワだと思う。

ただ、今をときめく俳優さんたちにメインじゃない役もやらせる事になるのが申し訳なさありますけど。でも観たいものは観たい。